おばちゃんは魔法を使えるかしら

先日、とある方から「いつも本当に落ち着いていますね」「うさぎさんみたいに達観したというか、悟ったみたいに静かに生きていきたいって思うんですけど」みたいなことを言われた。

 

えーと。

 

はい。

 

否定はしないです。私の人生、めっちゃ落ち着いてます。達観したわけでも、悟りを開いたわけでもないけれど、まあ、それなりに静かに生きています。

 

なんですが、あまりに静かすぎて…欲望が消えてしまったかのように、なんとも、気力がわいてこないです。なんか、もう、夢も見られない、みたいな。

 

44歳の悲哀? がつがつしない、とか、欲張らない、とか、地に足がついている、と言えば聞こえはよいけれど、なんというか…静かすぎて、これでいいのか、私、と、思わないではないです。

 

でもそれって、ものすごく幸せなことで。10年前の私は、その幸せに気づかずに、「私の人生、まだまだこんなもんじゃないはずだ!」みたいな感じで、いろいろ変えようと必死でした。上へ登ろうともしたし、幅を広げようともしたし、たくさんのものを手に入れなきゃと思っていたし、できることをできるだけしなければ、と思っていた。

 

でも、今の私は、現状が幸せだってわかっているから…ここから、何を目指したらいいのか、分からないです。とにかく、日々を元気に、粛々と、過ごすだけ。

 

じゃあ、何が悩みなのかというと、「落ち着いていますね」って言われたときに、なんて答えたらいいか、そこかな。「ええ、おかげさまで」って、なんかエラそうじゃないですか? 「いやいや、落ち着いてみえるだけですよ」っていうのもウソだし。「いやー、無気力なだけで、なんてことのない人生ですよ」っていうのは、半分本当で、半分謙遜。

 

なんでしょうね、「あなたもこの呪文をとなえたら落ち着いた人生が送れますよ。ルアパ ルアパ ルアパ」とか言ってみるのはどうでしょうね。

 

むかーし、むかーし、小学生のころに読んだ本の中で、魔法使いのおばあちゃんが静かに暮らしていたのだけれど、何かのきっかけで久しぶりに魔法を使ってみようと思ったのだけど、久しぶりすぎて呪文が思い出せない、みたいな物語があったんですよ。その中の呪文が何種類かあって、それが「パ」「ア」「ル」のアナグラムになっていた、と記憶しているのです。

 

パアル パアル パアル

パルア パルア パルア

アパル アパル アパル

アルパ アルパ アルパ

ルパア ルパア ルパア

ルアパ ルアパ ルアパ

 

6種類ですね。この呪文をもとに、検索したら書名が分かるかしら?

 

見つからなかった。魔法、使えなかった。