そういえばこの映画ほとんど女の人が出てこない

昨日の記事のタイトルが何かを暗示していたわけではないのですが、投稿の後で、黒いものが出てくる映画を見ました。

 

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド [DVD]

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ずーっとずーっと前に、雑誌の紹介記事か何かを読んで、見たい見たいと思っていた映画。ここでいう「黒いもの」とは石油です。19世紀末のアメリカで、石油採掘に賭ける男の話。

 

石油は儲かります。主人公は、お金のためにとにかくひどいことをするわけです。ひどいこと、と自分で書きながらも、何がひどいことなのかなあ、とぐるぐるしてしまう。見る人をぐるぐるさせるのは、いい映画です。見る人をすっきりさせるのは、エンタメ映画。もちろんエンタメ映画も面白いんですけど。文学や芸術は、健全な人をぐるぐるさせ、ぐるぐるしている人を救う、と思っている。エンタメは、健全な人をよりすっきりさせ、ぐるぐるしている人をよりぐるぐるさせる。

 

この映画は、私にとっては文学的であり芸術的でありました。ぐるぐるする~。

 

何がぐるぐるぐるするって、お金のために人をだまし人が死んでも平気でさらには人を殺してしまうようなこともするし、さらにはさらには、もっとひどいどんでん返しもある。

 

けれど、彼が利用した“被害者”の人たちは、彼がいなければ自力でより幸せになれていたかどうか、分からない。彼はひどい。けど、ひどいだけではない。

 

とにかく冷血に見える主人公であっても、何かに固執している。固執している、と私には見えた。タイトルの「ブラッド」、血。金のためなら人殺し(流血)もいとわない、という意味なのか、金を手に入れつつも彼が固執したのは血縁関係、という意味なのか。

 

人間の心の機微を、私はわりと小さいころから本を読むことで理解してきたと思うのだけど、最近はどうにもこうにも横着になってしまって、映画を見て直接的にその機微を映像で理解するほうがラク、と思うようになってしまった。いいなあ、映画。映画って素晴らしい。

 

きのこらぼ (@kinokolabo) | Twitter

 

今、ウィキペディア見たら、いろいろ私が考えたことと違うことが書いてあったけど、最初に見て私の考えたことが私にとってのすべてなので、そのまま投稿します。えい。