映画『her 世界でひとつだけの彼女』

人格を持ったOSに恋をした男性を描いた映画。

というか、カラダなしで大の男をメロメロにしたスカーレット・ヨハンソンの知性と色気あふれる声を描いた…いや、声は描けないな、なんていうの、声を録った(?)映画。

 

これ…人間が逃れることのできない“肉欲”≒性欲≒恋愛感情を、めちゃめちゃ優れたパロディに仕立てた作品なんじゃないか? ここまで恋愛のことを人類が分かっているのに、なーんーでー、みんな恋愛で悩むの⁉

 

少なくとも私はずっと悩んできましたよ。それこそ今の今まで。っていうか、これからも悩む気満々。(だから人類が悩み続けるのか。)

 

私は、恋愛っていうのは、言葉と身体の両方でするものだと思っている。その比率は、カップルによっても、同じカップルの時期によっても、外部環境によっても、その都度その都度変わると思うけど、少なくとも、恋愛とかセックスなんていうクソめんどくさいことをするためには、言葉と身体の両方にギアが入らないと、始められないよねー。

 

言葉で火をつけるシチュエーションとしては。

・言おうと思ってたことを同時に言うとか。

・落ち込んでるときにタイミングよくメールやメッセージもらうとか。

・面白かったから貸すよ、と本を差し出されるとか。

・「〇〇さんが悪いわけじゃないよ」と慰められるとか。

 

身体で火をつけるシチュエーションとしては。

・一目ぼれ。

とか? 

顔も身体の一部だから。

すみません、ほかに思いつきません。

というのはうそで、壁ドンとか、あまりに恥ずかしいので書きません。

いや、でも脚がきれいとか、胸を見ちゃうとかも、身体の効能?

 

で、『her 世界でひとつだけの彼女』です。

この人たち、テレホンセックスみたいなことをするんです。

でもさー、それは違うと思うのだけど…。

結局ふれてるのは自分の身体なのだし。

 

「ハグには布団で一晩寝るのと同じだけのストレス軽減作用がある」ってのを聞いたか読んだかしたことあるのだけど、こういうのって、私は、生理学的に解明できるのではないかと思っていて、思ってというか、これもたぶんどこかで読んだのだけど、他人と肌を合わせることによって、免疫力が上がったり、皮膚の常在菌の種類が増えたりして、身体が強くなるんだよね、たぶん。身体が強くなると、精神も強くなる。

 

私、結婚するときに夫のおば(けっこう年配)から言われたんだけど、「夫婦は何があっても一晩いっしょの布団で寝れば、次の日には仲直りなのよ」って。

 

これを結婚式で言われた時点で、この結婚が破綻するのも自明かって気もするけど、いや、でも一理あると思うんだよなー。こんな、ネットとかSNSとかスマホとかがなくて、“世間”だけが女性の人生の世界の本当に全て、だった時代には。

 

スキンシップだけに頼ると、恋愛も結婚生活も破綻するけど、スキンシップまるでなしで、言葉だけで関係をつないでいくのは、それはそれでしんどいよー。

 

スカーレット・ヨハンソンの声の演技がどんなものかと思いましたが、ちょっと、トゥーマッチ、でしたね。セクシーすぎるというか、あざとい感じがしてしまって。

 

エイミー・アダムスが可愛かったよ。いいなあ、ああいう感じの可愛い女の子にもあこがれる。絶対、私とはタイプが違うけど。もちろん、スカヨハとも違いますけどね。