素敵な高齢の男性

昨日は父親と同じような年齢の男性とのデートだったけれど、今日は実の父親に久しぶりに電話をした。今年になって初めてか? というか、去年、電話で話したかどうかも分からない。それくらい、ドライな関係だ。ドライだからといって、冷めているとか、仲が悪いとかではない。お互い、自立していて、お互い、好きに生きていることを認めているだけ。

 

なんで電話したかというと、数週間前から腰痛がひどくなって、要介護みたいな状態なんだよー、と母親がメールしてきたから。要介護みたいな状態になっちゃったんだよ、という表現を読んでいた段階では、いよいよ離れて住んでいる私たち親子の関係にドラマチックな展開が始まったか、と思ったのだけど、ものの数行で、でも寝てたらだんだんよくなってきたんだよ、という流れになったので、まあ、心配は要らないってことなんだけど、きっかけではあるので、電話してみた。寝たきりに近いみたいなので、ヒマだろうな、と思って。

 

上にも書いたとおり、冷めてるわけでも仲が悪いわけでもなく、お互いに牽制し合うとかマウントとり合うとかもないので、父と娘ではありますが、かつて長い間を一緒に暮らした70代の男性と40代の女性として、ジョークや思いやりや気遣いを入れながら、お大事にね、そっちもがんばってね、というような会話をした。なんか、書いてて気持ち悪いな。健全すぎて。でも、そういう父娘なのだ、私たちは。

 

しかし、実父と話しながら、昨日のK島さんのことを思い返すに、たとえば父が、娘みたいな年齢のかつての部下から「一緒にコンサートに行ってもらえませんか」と誘われたら、照れたり、何か裏があるんじゃないかと勘繰ったり、何を着ていったらいいか分からなかったり、単にめんどくさくなってしまったり気疲れしすぎたり、といういろいろな理由をつけて、コンサートに行くのは辞退しちゃうんじゃないかな、と思った。うちの父がそこまで魅力のある男性だとは思えないけど、かといって、全然魅力がないわけでもないと思うし、もしかしたーら、まんがいーち、慕ってくれる女性がいないわけでもないだろう、と思うのだ。が、たぶん、父は自意識が邪魔して、それを断るだろうな、と想像した。

 

それを考えると、昨日のK島さんは、快くデートをOKしてくださって、かといって浮かれるそぶりも見せず、だからといってつんけんするでもなく、照れるでもなく、なにか勘繰るでもなく、そして、これが大事だが、気合い入れてオシャレしてくるわけでもないのに普通にハンチングかぶってジャケット着ている感じがお洒落、という、ああ、もう、何これ。のろけですか? のろけですね。

 

いや、そういうね、変に自意識を作動させてデートを断っちゃうなんてことをしない、素直なK島さんのことを、ますますステキな人だなあ、って思った、そういう話。

 

父親のことは、父親として大好きなんですけどね。電話でミステリの話とかして、楽しかった。

 

おやすみなさい。