息子の友情と信頼の話

今日、Kくんが遊びにきたそうだ。

 

Kくんは、中2長男の友達だ。

 

仕事から帰ってきたら、娘と次男が「今日、久しぶりにKくんが遊びにきたんだよ」と教えてくれた。

 

Kくんと長男は、小学校3年生のときから卒業までの4年間クラスが一緒で、通っているスポーツ教室も同じで、同じ中学校に進学して、去年も今年も同じクラスだ。

 

Kくんには妹と弟がいて、つまり我が家と兄弟構成が同じで、私はKくんのお母さんとも仲良くなりたいと思った。Kくんのお母さんのN子さんはすごく可愛らしい感じのする人で、仲良くなりたいと思ったら、とてもとても仲良くなることができた。

 

長男とKくんが仲良くなるのと同じくらい、とは言わないけれど、N子さんと私はかなり親しくなって、いろいろな話をした。私と夫の仲が悪いことを、長男はKくんに話していたと思う。もちろん私も夫婦の実情や家庭の様子をN子さんに話していたし、N子さんから家族の悩みを打ち明けられることもあった。

 

中学校生活が始まって間もないころだったか、Kくんが学校に行っていないらしい、と聞いたのは、長男からでもなく、N子さんからでもなかったと思う。風のうわさというか、おせっかいな人の余計なお世話というか、なんとなく、耳に入ってきた。そのころN子さんとは親しかったけれど、何かの機会で「Kが学校に行ってないんだよね」と聞いたとき、あまりびっくりしなかった記憶がある。

 

N子さんはKくんのことを愚痴るという風ではなく、途方に暮れているという風でもなく、息子はこうなんだよね、だから私はこうなんだよね、という風に話してくれた。もちろん困っていなかったわけではないと思うし、悩んでいなかったわけではないと思う。だけど、必要以上に誰かを責めたり闇雲に原因を探したりといった風ではなかった。責めるわけではない相手の中にはKくんも入っていなかった。ただ、ちょっと自分を責めているかな、と私は心配したけれど、心配するのも失礼だと思って、N子さんを信じていた。

 

話を聞いた日の夜に、N子さんからLINEが来て、「Kの不登校の話だけど、Kが気にするといけないから、Mくん(長男)には言わないで」と言われた。私はなんとなく、長男には話さないほうがいいと思っていたので、言っていなかったし、そんな自分のことも、息子の気持ちを思いやるN子さんのことも、誇りに思えた。

 

その何週間だったか、何か月だったか後で、長男から「Kが学校に来てないんだよ」と打ち明けられたとき、「うん。そうらしいね」と答えたら、息子は「なんで知ってるの?」とちょっと驚いていた。

 

長男も、きっとN子さんと親しい私に言ってはいけないという配慮があって、黙っていたのではないかと思う。お互いに、信頼していないわけではなく、悩みを打ち明けたい相手ではあるけれども、それによって誰かを傷つけることがないように、お互いに黙っていた、という感じがした。

 

なんだか延々と続いてしまいそうですが、そんなKくんが、今日、遊びにきたんですって。学校に行っていないというのは変わっていないようですが、そんなこととは関係なく、長男はKくんと仲がいいんだな、と。なんだかそれが誇らしくて、書きたくなって、書いたら長くなりました。

 

中途半端に投げ出してすみません。おやすみなさい。