早起きとちょっと前にあったこと

ちょっとだけ、朝起きるのが楽になってきた気がする。季節が変わりつつあるんだな。社会が発展しすぎたせいで、年間通して同じ生活を強いられているけれど、やっぱり人間も動物だから、冬はたくさん眠るようにできているのではないかと思う。

 

季節による差も、個人による差も、なかなか受け入れられないこの社会は、きっと多くの人にとって、生きづらいのだろうな、と思う。

 

中学生の長男の友達が不登校になってしまった。どうやら朝が起きられないらしい。友達のお母さんとも仲がいいので、私もそのことを知っていると言うと、息子は「なんであいつ来ないの」と言うし、別の心配しているママ友は「絶対なにか原因があるはず」と言っていた。

 

私は、原因なんて、ないと思う。学校に行かなきゃいけない、朝起きなきゃいけない、そんなの彼自身だってわかっていると思う。わかっているのにそれができない、その原因なんて、彼自身にも、だれにも、わからないと思う。

 

ただ、身体がそういう風にしか動かないというだけだ。原因や理由がなくても病気になってしまうように、抗えなく季節によって眠さが変わるように、そういうことになっている、それだけだ、と私は思う。

 

そんな彼に、つい数日前、うちのマンションのエントランスで出くわした。「おう、久しぶり」とあいさつしたら、ちょうど息子と遊びに出かけるところだった。

 

学校には行けなくても、息子を友達だと思い続けていてくれるんだな。それが、とてもうれしかった。そして、学校に来ていない彼のことを、休日に友達として一緒に出かけている息子のことが、とても誇らしかった。