寂しい生活は寂しくない

稲垣えみ子さんの本を読みました。

 

寂しい生活

寂しい生活

 

 

アフロの稲垣さんは1年ほど前から私のまわりで人気で、読んでみたいと思ってましたが、そのタイミングが訪れました。書店をふらふらしていて目についた、という意味ですけどね。

 

この本を読んで、冷蔵庫を買い替えようかとずっと悩んでいましたが、やめました。今でさえ、冷蔵庫の中のものを食べきれないことがあるくらいなのに、なぜ大きい冷蔵庫を買わなければならないのか。徒歩で行けるところにスーパーだってコンビニだってあるのだから、本当に食べるものがなければ、買いにいけばよい。外に出るのがめんどくさくて、その横着のために冷蔵庫を買うなんて、よくよく考えたら本末転倒なのだ。冷蔵庫に食べ物を溜めて、食べたいときに食べて、あー食べ過ぎたと後悔して、やっぱり太ったと落ち込んで…って、何をしているのだ私は。冷蔵庫に食べ物がなければ食べずに済むのだ。どうしてもお腹がすいて、歩いてスーパーまで行けばその分だけでもカロリーが消費できるのだ。そんなのめんどくさいと思えば、余計なカロリーも摂取せずに済むしお金も使わなくて済むし一石二鳥ではないか。大きな冷蔵庫を買うなんて、なんてバカなことを考えていたのだ私は。

 

本の最後に、「生きることって動くことだ」と出てきます。身体を動かすこと。それこそが生きることなのではないの?と。階段の代わりにエスカレーターを作り、家の中でも歩かなくてよいようにリモコンを作り、外へ買い物に行く回数を少なくするために冷蔵庫を作り、とうとう声に反応するスピーカーまで作りだした。身体を動かさなくてよいように、人々はものを生み出し、買い、それを豊かな生活と信じてきたけれど、身体を動かさなくてよくなったとき、あなたは何がしたいの?と。

 

この本を読んだとき、私はわりと感傷的になっていて、生きてるって、身体が動くだけじゃなくて、心が動くってことでもあるんだよなー、と、ぼろぼろ泣いてしまったのですよね。あー、私、いま生きてるなあ、って。感情の筋肉がムッキムキの私だけれど、その筋肉をあまり使いすぎると社会生活に支障を来たすので(営業で会社にきた女の人がいきなり泣き出したりとかしたら困るでしょ)、わりとこの1年は感情を動かすことを抑えていたのかも。まあ、働く時間が増えたから、物理的に減らさざるをえなかったという感じかもですが。

 

泣けるって、いいことだ。感情を、動かしたいときに、動かしたいだけ動かせるって、いいことだ。それが許される場を作ることも大事。自分がどれだけ感情を動かしているか、自覚することも大事。

 

今日もめいっぱい、心と体を動かしていきましょう。

 

私の書籍紹介は、いつも自分のことを書いて終わります。正直、本のことを書くより、自分のことを書きたいのです。それが私です。

 

きのこらぼ (@kinokolabo) | Twitter