満月に思う

十五夜月がきれいに見えています。

 

次男(3人目)を産んだのは満月の夜でした。小さな産院で、満月のせいなのか(せいだと思ってるけど)、次から次へと産婦さんが来て、ベッドもいっぱいで満室でした。

 

その日は、3人目だからすぐ生まれちゃうかもしれない、と思って、陣痛が強くなってきた午前中に産院に行ったのだけど、なかなか生まれそうになくて、いったん家に帰りましょう、ってなったのでした。それがもー、屈辱で、屈辱で。

 

今度は絶対、帰らされるなんてことはしないわ、と、夜になってめちゃめちゃ痛い陣痛をまだだ…まだまだだ…と我慢していたのだけど、ふと我に返って、「あれ、でも考えてみたらこれ、けっこう痛くないか?」と思って産院にいって、「ちょっと見てみましょう」って診てもらったら、「え、加茂さん、これ産みたくなりませんか? 子宮口8センチですよ」って言われた。

 

産みたくなりませんか、って言われても、どういう気持ちが産みたい気持ちなのか、3人目で子宮口8センチでも、分からなかったよ…。

 

しかし、もう産んでいいですよ、みたいなこと言われて、ほかにも陣痛を待っていた産婦さんたちをごぼう抜きして分娩台に上がり、次男を産みましたねえ。先に3人目を産んでいた友達が、3人目ともなると冷静に、参道を通ってくる赤ちゃんの位置と姿勢を感じることができた、みたいなこと言ってたけど、私にはそこまでの感覚はなかったなあ。

 

で、産んだ後、取り上げてくださった先生が、「病室がいっぱいですから、今日は自宅で寝てもらいますから」って言われて、えー、さっき来たとこなのに、もう帰らされるのかー、って思ったら、「ぼくの自宅ですよ」って。

 

先生のご自宅と産院が一緒になった医院だったもんだから、そんなわけで、私は生まれたての次男と二人、産婦人科の先生の書斎に布団をしいて、寝たのでした。

 

可愛かったなあ、次男。今も可愛いけど。