やりたかったことをやってみた

ここ数週間、「車の運転がしたい!」と思っておりまして、昨日、それを実行してきました。久しぶりの運転で緊張したせいか、なんか今、身体がこわばっている気がする。

 

数年前まで、夫が買ったわりと大きめの車に乗っていました。子供の保育園へのお迎えとか、郊外のショッピングモールに出かけるとか、けっこう頻繁に乗っていて、慣れていたし、車の運転は好きだった。何かを操っているという感覚は気持ちがいいものだし、何より、運転をしている間は子供の相手をしなくていいっていうのが、気分的にすごく楽だったのだと思う。

 

まあしかし、諸々の事情で夫の車に乗れなくなり、このままだとペーパードライバーになってしまう、っていうのもイヤだったし、何かを操るあの感覚も味わいたかったし、気ままに音楽を聴きたかったし、あと、やっぱり子供の相手をしなくていい時間が欲しいなあ、と。

 

子供の相手をしなくていい時間は、数年前と比べたら格段に増えたのだけれど、それでもやはり家にいると子供優先にならざるをえなくて、一緒にいると、それをしてあげられない自分にもイライラするので、精神的には、とにかく離れてしまうのが良い。「見える化」も大事だけど、「隠す化」も大事。本質的な解決は子供が成長して巣立つまで無理だけど、一時的にでも子供から離れる。一時的にでも、子供がいない状態を作る。私にはこれがものすごく大事。

 

だけど、今回いちばん大きな理由になったのは、音楽かなあ。サルサとかレゲトンとか、ラテンっぽい音楽が好きで、聞けるのは主に通勤中にイヤホンで、なんだけど、電車のなかでノリノリになったり、ましてや一緒に歌ったり、できないので。

 

自分の好きな曲がかかってるクラブに行ければ最高だけど、手間もお金もかかるし、目いっぱい楽しむには、たぶん羞恥心を捨てないといけないし、とか、まあ、こんな言い訳をぐだぐだ考えるまでもなく、自動車の車内というのは、好きな音楽を聴いて一緒に歌ったり身体をゆすったりするのに最適な環境だというのが、車の運転をしたい、といういちばん大きな理由だったわけです。

 

で、そのために、カーシェアリングの会員になって、会費払って、車を予約して、スマホをカーステレオにつなぐためのジャックコードも買って、いざ、乗車。

 

今回、2時間だけのレンタルでした。目的地はない。行先も決めてない。とにかく、車を運転して、その間に音楽を聴くこと、それが目的。

 

久しぶりの運転だし、本当は明るい時間にレンタルしたかったのだけど、日中ぐずぐずしていて、それが叶わず、夜の7時から。車種は青いフリード。車の種類とか全然知らないのだけど、青い車、はスピッツファンにとっては嬉しいものです。と思いながらステーションに行ったけど、もう真っ暗で、暗めの青なんて、何色なんだか全然分からない状態だった…。

 

そもそも緊張して、車の色とかかなりどうでもいい状態だったし。初めてのことというのは、恐ろしいものですね。カーシェアリングの仕組みそのものも初めてだったし、車の運転も、少し前まで頻繁に乗っていたとは言うものの、車種が違うとこんなに勝手が違うのかー、と。鞄に入れていた非常用の小さいLEDライトがとても役に立ちました。だってルームライトでは見えないところに、いっぱいボタンがあるんだもん。まず、サイドミラーをうぃーんと横に広げるボタンが見つからない。サイドブレーキがなくてフットブレーキだし。ギアの位置も全然違うし。おたおた、おたおた。

 

パーキングを出られるまで、ゆうに20分くらいは使ったと思います。運転に必要な操作だけじゃなくて、20分くらい使っても、カーステレオのジャックが見つからなかったの!!! わざわざ直前にコードを買ってきたというのに。スマホにつないで音楽を聴くのがこのカーレンタルのいちばんの目的だというのに。

 

しかし、20分も経過すると、さすがに時間がもったいなく思えてきて、ふと、「別にこれ、スマホそのまま聞けばいいんじゃね?」ということにも気づいて、そのままスマホで音楽かけて、ちょっと音量上げて、出発しました。

 

アクセル踏むのにも緊張した~。前に運転していた車と比べると、車体が軽すぎて、おもちゃみたい。小回りが利きすぎて、アクセルもハンドルも、そーっと操作する感じ。車高が、というか、座席の位置が低くて、最初、のぞき込むように背伸びして運転してた。けど、そういうものだ、と思って割り切って考えたら、慣れた。

 

(と、これ書いていて思ったけど、『君の名は。』みたいな身体の入れ替わりのストーリー、あれってきっと、視線の高さの違いがものすごく最初は気になると思うんだよね。見ていなかった世界が見えるというか。私は女性にしては背が高いので、もしかして、背がもっと低かったりしたら、もうちょっとちゃんと男の人を敬う気持ちが強かったのかもしれない…と、本当に関係ないことを考え始めたのでもうやめます。)

 

さて、そんなこんなで走り始めて、とにかく目的もないドライブなので、いちばん慣れている大きな街道をひたすら西へ。思っていたより道が混んでいて、思うようにスピードを上げられなかったけど、走り出してしまえば、ああ、この感覚だったな、と。

 

ちょっとずつ緊張もほぐれてきて、途中、だんだんまわりがトラックばかりになってきて、道路わきにある回転ずしのお店とかが目につくようになって、あー、お腹すいたなー、と。

 

適当なところでなんかちょっと食べて帰ろうか、とも思ったのだけれど、その余裕もなく、走り続けていたら1時間が経過しそうだったので、コンビニに入ってパンを買って、そこでUターンをして、帰路。

 

事前にGoogleプレイミュージックでダウンロードしておいたアルバムをかけていたのだけど、予想以上に好きな曲が多くて、次は歌詞を覚えて一緒に歌える状態にしておこう、と決意。

 

2時間で、かかった経費は2000円弱。映画1本見るのと同じ感じですね。けっこういい感じの趣味なのではないかと。気に入りました。月に1回くらい、やってみようと思います。せっかくカーシェアリングの会員になったし。